vol.72 夏を感じさせるデザインのポイント10選

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こんにちは。デザイナーの野中です。
7月も後半に入り、今年も夏本番の季節になりました。
今回の記事では、この季節に多く目にする夏を感じさせるグラフィックデザインの要素とは何か、実際の事例をまじえながらご紹介します。

※紹介する事例の引用元サイトは、季節性のあるキャンペーンサイトも含まれており、一定の期間を過ぎるとクローズする可能性がありますので、ご了承ください。

 

カラー

爽やかさや涼しさを感じさせるブルーや、夏の日差し・暑さを感じさせるビビッドなカラーは、
街中の広告やWebサイト、テレビのCMなどでも多く見かけると思います。 

そんな中、今年トレンドのパステルカラーを用いた一味ちがった夏らしい配色のデザインも見かけます。
夏のジェラートやシャーベットのカラフルな色味を思わせる女性らしい配色が、ファッション関係など、女性をターゲットにしたデザインで多く使われています。

三越伊勢丹グループ 夏のクリアランスセール

http://www.miguide.jp/clearance/201707/

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モチーフ

夏のモチーフといえば、皆さんは何を思い浮かべますか。
花火、海、ひまわり、スイカ、ビール、ヤシの木など、夏を連想させるモチーフがいくつか思い浮かぶのではないでしょうか。
夏らしさを演出するため、そうしたモチーフをポイントで使ったデザインも多く見かけます。
下に紹介するサイトでは、夏祭りで見かけるちょうちんがところどころに用いられ、楽しげな雰囲気をプラスしています。

ポカリスエット ポカリ、飲まなきゃ。

http://pocari-nomanakya.jp/

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和風

夏といえば、お祭りや花火大会で浴衣を着る方も多いのではないでしょうか。
日本の伝統的なイベントや風物詩が多く一般的に残っているためか、夏は四季を通じて、お正月の次に和風なモチーフがよく取り入れられているように思います。
中でも、夏のビールやアルコール飲料の広告にはよく浴衣が登場しています。今年のほろよいの広告では現代的なマンションの一室を背景に、浴衣やうちわ、桶に入った氷などのモチーフが日本の伝統的な夏らしさを演出しています。

サントリー ほろよい

http://www.suntory.co.jp/rtd/horoyoi/

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開放感のある写真

夏らしさを感じさせる要素として、夏の景色・風景の写真を用いたデザインも多く見かけます。
海、山、川、空など、自然の風景を大きく扱うことで開放感が感じられます。
ポカリスエットの広告では、上下に分割した下側に空の写真を入れることで、広々とした空気感と、夏の清々しい青空のイメージを換気しています。
また、コントラストを強めにして日差しの強さを強調することで、より夏らしい光を表現しています。

ポカリスエット ギャラリー

http://pocarisweat.jp/cmgraphic/pocarisweat/

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青春がテーマ

夏の広告を見ていると、夏休みのイメージからか学生時代の青春をテーマに制作している事例が多くあるように感じます。中でも女子高生や制服といったモチーフは、青春の初々しさを演出するのによく用いられています。
下に紹介するカロリーメイトの広告では、暑さ、蒸発といった夏らしいキーワードを使ったコピーがセーラー服の女子高生の脱力するビジュアルと合わさって、学生の夏休みのひとコマを作り上げています。

大塚製薬株式会社カロリーメイト公式Facebookアカウント

https://www.facebook.com/pg/cmt.official/photos/

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擬音のコピー

夏に販売される商品の多くは冷たさや涼しさが売りですが、そういった商品の特徴を印象的な擬音で表現するのも効果的な表現の一つです。
ハイボールの広告では、ハイボールを飲んだ瞬間に喉に伝わるキーンとした冷たさがコピーからよく伝わってきます。氷でキンキンに冷やしたハイボールを想像して、思わず飲みたくなるような演出がされています。
また、髪の毛を風になびかせることでより涼しさを強調しています。

サントリー公式Facebookアカウント

https://www.facebook.com/SuntoryKAKUHIGHBALL

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加工・処理

写真の加工やコピーなど各要素の処理のしかたも、夏らしさを演出する一つのポイントになります。
ルミネの広告は印象的なコピーと写真が特徴的ですが、下に紹介するポスターでは、夏の爽やかさ、澄み切った空や海の眩しさなどを演出するような透明感ある処理がメインのコピーに加えられています。 見ているだけで少し涼しくなるような、爽やかな印象の広告です。

LUMINE MAGAZINE

http://magazine.lumine.ne.jp/?p=30619

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氷・水滴

商品の冷たさや涼しさを伝える方法として、飲料系の広告では缶やペットボトルの周りに水滴がついているのをよく目にしますが、夏の暑い時期の商品では特に冷たさを強調するため氷がはじけている様子が用いられています。
ALL-FREEの広告では、氷を画面全面にはじけさせることで、一層ひんやりした印象を与えています。

SUNTORY ALL FREE

http://www.suntory.co.jp/beer/allfree/graphic.html

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素材感

ビジュアルのイメージをさらに強める要素として、印刷物では素材にもこだわって制作されています。
夏は和風のモチーフがよく取り入れられていることはすでに紹介しましたが、下の伊勢丹の浴衣コレクションの冊子でも浴衣の柄を随所に使った和風デザインが取り入れられ、その印象を強めるために和紙のような用紙が用いられています。
ビビッドでカラフルな浴衣が並ぶモダンなビジュアルが、繊維が残っているような手触りの用紙にすられています。

ISETAN新宿店 GUIDE for STYLING

http://www.isetanguide.com/20160727/yukata/

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熱さの表現(アニメーション)

Webサイトではタイトルやナビゲーションが動いたりするアニメーションが多くのサイトで取り入れられていますが、下に紹介するアディダスのサイトでは、メインのタイトルにマウスオーバーすると、ゆらゆらと文字が揺れ動きます。
荒野の大地であまりの暑さに蜃気楼が出現したような、面白い演出がされています。背景の荒野の写真と連動して効果的なアニメーションになっています。 

adidas online shop

http://japan.adidas.com/climazone

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まとめ

いかがでしたでしょうか。
ひとことで夏、といっても色々なイメージが思い浮かぶと思いますが、他の季節と比べると「これが夏らしい」と共通で思い浮かべるモチーフは多いような気がします。
みなさんも街中の広告やテレビのCM、Webサイトなど見るとき、そこにどんな夏らしい演出がされているか考えてみてはいかがでしょうか。